とまどうペリカン:井上陽水

 このアルバムだけはずっと聴き続け、まったく飽きが来ないのですが、一曲目のこの曲がいつまでも頂点と感じます。




ライブ・ヴァージョン


とまどうペリカン

夜のどこかに隠された
あなたの瞳がささやく
どうか今夜のゆく先を
教えておくれとささやく
私も今さみしい時だから
教えるのはずぐ出来る

夜を二人でゆくのなら
あなたが邪魔者を消して
あとを私がついてゆく
あなたの足あとを消して
風の音に届かぬ夢をのせ
夜の中へまぎれ込む

あなたライオン たて髪ゆらし
ほえるライオン おなかをすかせ
あなたライオン 闇におびえて
私はとまどうペリカン

あなたひとりで走るなら
私が遠くはぐれたら
立ち止まらずに振り向いて
危険は前にもあるから
どこからでもあなたは見えるから
爪を休め眠る時も

あなたライオン たて髪ゆらし
ほえるライオン おなかをすかせ
あなたライオン 闇におびえて
私はとまどうペリカン

あなたライオン 金色の服
その日暮らし 風に追われて
あなたライオン 私はあなたを
愛してとまどうペリカン 

Nzaji : Mario Rui Silva


 マリオ・ルイ・シルヴァはアンゴラの歌手ですが、この曲は公用語のポルトガル語ではなくスワヒリ語のようです。意味はまったくわかりません。今のところ静かに聴くだけです。



Nzaji

Nzaji, nzaji, nzaji
Salambinga
Nzaji ngamutulula mwenyê
Salambinga
Nzaji, kya kina k’anyok’ê
Salambinga
Oh! Oh! Oh!
Oh! Oh! Salambinga
Ngenyami ya kuzuata
n’ya kudifuta
Oh mwanya ki utwa
jindolo jingivula
ngibbanga kyebê
ngi mukua ngongo
Mukuxixima kwami ngô
Wa wê mangolê
Ya kala ya

L'orologio americano : Ivano Fossati

 この愛聴アルバム『マクラメ編み』からの2曲目です。1曲目はこちらです





L'orologio americano
(アメリカの時計)

Verità vuole
真実は望む
che lei, colpo di vento
彼女、一陣の風が
stesse al suo balcone
彼女のバルコニーに
nel suo corpo salivando e attendendo
待ちわびている彼女の体に
ed io per parte mia
そして私のほうは
con un'orchestra
オーケストラと
come sola buona compagnia
いい仲間だけを連れ
salissi per un bacio deflorato
色あせたキスをもらうために登った
per un tempo
一度
neanche ben pagato
それは報われた
eh, io sì
私はそうした
io sì
そうしたんだ
うん

L'amore dura
愛は続く
quel che deve durare
続かなければならないから
consacrato e misurato da un orologio elementare
小さな時計で聖別され、測られ
ma io che ho caro quel che è mio
しかし私は私のものである恋人がいる
e la domanda come la risposta
そして彼女に答えるよう頼んだ
vivevo tutto questo
聞いたことにハッキリ
come dietro ad una porta
戸口まで帰り
solo un po' discosta
すこししか離れていない

Perché è così che la gente vive
人はそのように生きているのだから
perché è questo che la gente fa
人はそうするのだから
perché è così che ci si insegue
そのように追い求めるのだから
per un morso di immortalità
不死となる薬を
è il meccanismo ottuso
それは時計仕掛けだ
di un orologio falsoamericano
贋物のアメリカ時計の
che misura il tempo e tempo non c'è più
それは時を測るがそれだけだ
ma fermava il tempo se passavi tu
お前が過ごした時を止めることはない

Verità vuole
真実は望む
che lei, labbra grosse
唇の厚い彼女が
restasse impigliata alla mia bocca
私の口に吸い付いたままでいることを
più di quanto volesse
もっとたくさんのことを彼女は望んだ
di questo mi ricordo
それを覚えている
e poco d'altro
他はほとんどない
del suo sguardo
すばやい視線の
lampeggiante a ore
1時間瞬いている
e che svanì dentro al mondo
この世界で消えた
sorridendo
微笑みながら
come ricevuta dal Signore
主から受け取った

La rabbia e l'amore
怒りと愛は
s'imparano gratis
ただで学ばれる
se proprio non c'è niente altro
他に何もないのなら
da dividersi
分けるものが
e noi
そして私たちは
immobili nel cielo
空で動けず
lucidochimico
光学
di una fotografia
写真の
perché niente è come niente
無は無なのだから
niente è un'orgia dolorosa
無は苦しいパーティー
è tempo squadernato
それは開かれた時間
e via
そして道

Ma è così che la gente vive
しかし、人はそのように生きている
è questo che la gente fa
人はそうする
è così che ci si insegue
ひとはそのように追い求める
per un morso di immortalità
不死となる薬を
è il meccanismo ottuso
それは時計仕掛けだ
di un orologio falsoamericano
贋物のアメリカ時計の
che misura il tempo e tempo non c'è più
それは時を測るがそれだけだ
ma fermava il tempo se passavi tu
お前が過ごした時を止めることはない

The weekend : Irmin Schmidt



 このアルバムはこの曲を繰り返し聴いています。イルミン・シュミットについてはこちらへ。




 このYouTube動画はこのブログに組み込めないため、別ウインドウが開く以下のリンクでお聴きください。


Le weekend
(週末)


Life is tough
Muscles ache
Had enough
I want a break
Come with me
And all the people go si, si, si, si, si, si, si.
人生はしんどいし
筋肉は痛いし
もうたくさん
休みが欲しい
一緒に来ないか
そして、みんなお出かけさ、ひひひ


Love is tough 
Emotions ache
Had enough
I want a break
Fly afar
And all the people go ya, ya, ya, ya, ya, ya, ya.
愛はしんどいし
感情が疼くし
もうたくさん
休みが欲しい
遠くへ飛ぼう
そして、みんなお出かけさ、ややや


Horizons disappear
We’re in the clear
I’ll scratch your back
In Sarawak
水平線が消えるような
ぼくらは透明な晴れ間にいる
きみの背中を引っ掻いてやろう
ここ、サワラクで




Pantelleria
Izmir
The Grand
In Samarkand
Oh God, it’s Monday!
A fun day!
With tea
On Wai-ki-ki . . .
パンテレリア島
イズミール
雄大なサマルカンド
げげ、もう月曜かい?
享楽の日には
ワイキキでお茶でも


(訳詞はこちらからの引用です。)

La lettre : Pierre Barouh

Le Pollen (1982)


 ピエール・バルーのこのアルバム『花粉』は愛聴版ですが、一曲を選んで聴く場合はこれ、la lettre(手紙)です。YouTubeにフルアルバムが出ており、この曲は17:03からです。



フルアルバム
 


 このブログでバルーの曲は2曲目です。1曲目はこちら



Je sais que cette lettre est pour toi dure à lire
この手紙が君にとって読むのがつらいことは分かっている
Toi qui ne sauras pas ce que c'est de l'écrire
これを書くのがどんなことか君には分からないだろう
Pleure-moi, pleure-moi,  
ぼくに涙を、ぼくに涙を
Moi qui ne sais plus aimer
ぼくはもう愛することができない
Pleure pour toi, pleure pour moi,  
君のために泣いてくれ、ぼくのために泣いてくれ
Moi qu'il faudrait consoler
ぼくには慰めがいるだろう
Moi qui ne saurai plus pleurer
ぼくはもう泣けないのだ
l'amour, vois-tu, 
愛が見えるかい
l'amour, sais-tu
愛が分かるかい
qu'il soit heureux ou malheurex 
幸せだろうと不幸せだろうと
qu'il soit triste ou lumineux
悲しかろうと華やかだろうと
toi, tu le portes en toi
君のほうはそれをうちに抱いている
toi, tu le garderas
君のほうはそれを守っていく
toi qui est toujour sur sa liste
君はずっと愛の神のリストに載っている
au moins tu sais 
少なくとも君は知っている
que tu existes
自分が存在していることを

Je sais que cette lettre est pour toi dure à lire
この手紙が君にとって読むのがつらいことは分かっている
Mais sauras-tu jamais ce que c'est de l'écrire
しかしこれを書くのがどんなことかいつか分かるだろう
Pleure-moi, pleure-moi,  
ぼくに涙を、ぼくに涙を
Moi qui ne sais plus aimer
ぼくはもう愛することができない
Tu dois me croire
ぼくを信じなければいけない
Je perds ce soir
ぼくは今夜失う
la magie de l'éternité
永遠という魔法を
au parfum du verbe «exister»
存在するという動詞の匂いをかいで
l'amour, vois-tu, 
愛が見えるかい
l'amour, sais-tu
愛が分かるかい
C'est ce qu'on garde dans les yeux
それは目の中に持っているものだ
comme radar du merveilleux
驚きを感知するレーダーのように
moi qui l'ai perdu
ぼくはそれを失った
Je me cogne au mur
ぼくは壁に体をぶつける
car il m'a chassé de sa liste
愛の神がそのリストからぼくを除いたからだ
comment saurais-je
どうやって分かるだろうか
que j'existe
ぼくが存在していると
Pardonne-moi selon le temps
時間が経てば許してほしい
car moi ce soir en te quittant
ぼくは今夜君から去り
je perds le frisson 
ときめく心を失うのだから
et le vent
そして風が
se détounera de mon seuil 
ぼくの家の戸口から遠ざかるだろう
j'ai perdu 
ぼくは失った
ma dernière feuille
ぼくの最後の一葉を


*アルバム Le Pollen 全体がYouTube に上がっていました。
この曲 La lettre は17:02からです。



Hotel California : Zipsy Kings

 『ホテル・カリフォルニア』はイーグルスのスローヴァージョンも好きですが、がなり声のこのジプシーキングスヴァージョンのほうをよく聴いています。



Por el camino del desierto
砂漠の道を行くと
El viento me despeina
風が私の髪を乱す
Sube el aroma de colita
コリータの香りが立ちのぼる

Luna, luna de nadie
月、誰のものでもない月
Ella a lo lejos
それは遠くにある
Una luz centela
光が照らす
La idea de mi estar
自分が存在するという思いを

Quedar por la noche
「夜はお休みください」
Alli estaba a la entrada
それは入口に書かれていた
Y las campanas a sonar
そして呼び出しの鐘
Y me di con llamarme mismo
そして私はそれを使いコールする
Que es puerta del cielo
それは天国への扉
Ella enciende una vela
灯りを点している
En muestra del camino
通路を示すために
Suenan voces en el corredor
回廊から声が聞こえた
Y lo que indican diciend
それはこう言っているようだった

(In English)

Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
なんてすてきなところだ
Such a lovely place
なんてすてきなところか

Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
なんてすてきなところだ
Such a lovely place
なんてすてきなところか

Ella al lado que brillaba
光り輝く横手に
Tenia una Mercedes
ベンツが1台止まっていた
Rodeada de chicos guapos
シックなボーイたちに囲まれ
Ella llamaba amigos
アミーゴと呼んでいた

Cuando viene despacio
のろのろやって来ると
Del tumba de verano
夏の墓場のようなところから
Aquel era pa recordar
大きな声で言ってくれる
Y otro pa olvidar
それで他の世界は忘れる

Le pedi al capitan
給仕長に頼んだ
Que sirve el vino
ワインを持って来てほしいと
Y pedi con un amor
そして愛も添えてと頼んだ
Tenido este alcohol
この酒が来た
De este sesenta y nueve
あの69年物の
Famosa y que llamando
名高いものだ。そして大声で言う
Pues me va a despertar
起きていよう
La noche para decir
夜はこう言うために

Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
なんてすてきなところだ
Such a lovely place
なんてすてきなところか

Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
なんてすてきなところだ
Such a lovely place
なんてすてきなところか

(Speaking)

El espejo en el techo
屋根の鏡張り
Champana en el hielo
氷で冷やしたシャンパン
Y ella dijo somos todos prisioneros
すると彼女が言った。わたしたち捕まってしまったわね
De propia voluntad
自分のほうから
Y en los cuartos principales
そしてメインルームでは
Hacen sucias esta
汚してしまっている
Hasta aca a la bestia
こんなところまで入った動物が
Pero no la logra a matar
殺すことなんてできない

(Singing again)

Mi ultimo recuerdo
ぼくの最後の思い出
Corria hacia la puerta
入口まで続いている
Ver una candela en el camino
通路を照らす灯りが見えたこと
Por donde habia llegado
そこから聞こえてきた
"Relax" dijo el portero
「ごゆっくり」ドアボーイが言った
Por mi es honor recibir
それを聞くとぼくは誇らしい
Puede salir cuando quiere
お望みの時間に出発していただけます
Pero nunca yo partir
しかしぜったい出発しない

Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
なんてすてきなところだ

Il n'y a pas d'amour heureux : Françoise Hardy / Keren Ann & Tanger / Nina Simon

 ルイ・アラゴン(Louis Aragon)の詩にジョルジュ・ブラッサンス(Georges Brassens)が曲を付けたものですが、ブラッサンスやそれに近いバルバラのヴァージョンよりそこからだいぶ遠ざかり一人称的に歌う女性歌手のものをよく聴きます
 フランソワーズ・アルディとケレン・アンの繊細な声が耳に馴染んでいますが、次元が
まったく異なるニーナ・シモンの声の存在感にも強く惹かれます。






Il n'y a pas d'amour heureux
(幸せな愛などない)

Rien n'est jamais acquis à l'homme 
人間に獲得されているものなど何もない
Ni sa force, ni sa faiblesse, ni son cœur 
力も、弱さも、心も
Et quand il croit ouvrir ses bras 
そして、腕を広げたと思った時
Son ombre est celle d'une croix 
その影は十字架の形をしている
Et quand il veux(croit) serrer son bonheur...il le broie 
そして、幸せを掴もうとした掴んだと思った)時、それをつぶしてしまう
Sa vie est un étrange et douloureux divorce 
人生は奇妙で狂おしい矛盾なのだ

Il n'y a pas d'amour heureux 
幸せな愛などないのだ

Sa vie, elle ressemble à ces soldats sans armes 
人生、それは武器のない兵士に似ている
Qu'on avait habillés pour un autre destin 
みな別の運命に向かうための衣装を着せられている
A quoi peut leur servir de se lever matin 
朝起きることが彼らにとって何になるというのだ
Eux qu'on retrouve au soir désarmés(désœuvrés), incertains 
夜彼らを見つけた時、彼らは装備を解いてすることもなく)ぼんやりしている
Dites ces mots, Ma vie 
君たちはこの言葉「我が人生」と言ってくれ、
Et retenez vos larmes! 
そして涙をこらえるのだ

Il n'y a pas d'amour heureux 
幸せな愛などないのだ

Mon bel amour, mon cher amour, ma déchirure 
私の美しい恋、私の愛しい人、私の引き裂かれた心
Je te porte dans moi comme un oiseau blessé 
私はお前を傷ついた小鳥のように心の中に抱いている
Et ceux-là sans savoir nous regardent passer 
そしてあの者たちはそうと知らず私たちが通り過ぎるのを見ている
Répétant après moi ces(les) mots que j'ai tressés 
私の編んだ言葉を私の後に繰り返しながら
Et qui pour tes grands yeux tout aussitôt moururent 
しかし、それはお前の大きな目と引き替えにたちまち死んだ

Il n'y a pas d'amour heureux 
幸せな愛などないのだ

Le temps d'apprendre à vivre 
どう生きるかを学ぶ時
Il est déjà trop tard 
もう手遅れとなっている
Que pleurent dans la nuit nos cœurs à l'unisson 
夜になると私たちの心は一斉に涙する
Ce qu'il faut de regrets pour payer un frisson **
戦慄させた後、どれほどの後悔が必要なのか
Ce qu'il faut de malheur pour la moindre chanson *
ちっぽけな歌を作るにはどれほどの不幸が必要なのか
Ce qu'il faut de sanglots pour un air de guitare 
ギターのメロディーを作るにはどれほどの嗚咽が必要なのか

Il n'y a pas d'amour heureux.
幸せな愛などないのだ
-----------------------------------------------------------------
Il n'y a pas d'amour qui ne soit à douleur
苦しみを伴わない愛はない
Il n'y a pas d'amour dont on ne soit meurtri
心が傷つかない愛はない
Il n'y a pas d'amour dont on ne soit flétri
非難されない愛はない
Et pas plus que de toi l'amour de la patrie
祖国への愛は君への愛ほどではない
Il n'y a pas d'amour qui ne vive de pleurs
涙を糧としない愛はない

Il n'y a pas d'amour heureux
幸せな愛などない
Mais c'est notre amour à tous deux
しかしこれがわたしたち二人にある愛なのだ