百合コレクション : あがた森魚




夜毎夜毎 夢に咲く百合の君
百合から百合へ ささやく花言葉
高原の停車場の汽笛ふるわせて
ゆめうつつのまま
閉じたるつぼみを抱きしめて
オペラホールの丸屋根の上で
視つめていましたね
砕けてしまった土星のように
淋しい星でした
それでもあなたと歩いた星ですね

サヨナラは
モウイイノサ
それでもあなたがほほえみ咲くかと
サヨナラは
モウイイノサ
ふりむけば 秋空に昇る星

一秒一秒毎に変わる君
一雨一雨毎にそよぐ百合
マッチボックスに灯る夜の影
ゆめうつつのまま
触れたる口唇抱きしめて
ラスト・シーンにくるくる踊る
北極星を視た
シネマが終われば街灯りもない
淋しい星でした
旅の果てに訪ねた星ですね

サヨナラは
モウイイノサ
それでもあなたがほほえみ咲くかと
サヨナラは
モウイイノサ
ふりむけば 秋空に沈む星

リラのホテル : かしぶち哲朗,矢野顕子




あがた森魚 リラのホテル





つかの間の恋だけど
やるせない春の日
街のはずれ
リラのある部屋 訪れる

窓はなつ 若きふたり
もどかしい春の日
風に揺れる 痩せたリラの樹
愛してる

まろやかな君とリラ
言葉さえ色あせる

リラ まぼろしか
この時 素敵だ !

淋しげな瞳の中
あおい庭が萌えている
はかなく咲いて
すすり泣く時
サヨナラ

Casablanca : Bertie Higgins



I fell in love with you watching Casablanca
『カサブランカ』を見ている君に恋をした
Back row of the drive in show in the flickering light
ドライブイン・ショーの最後列、ゆらめく光の中
Popcorn and cokes beneath the stars became champagne and caviar
星空の下で食べるとポップコーンとコークはシャンペンとキャビアになった
Making love on a long hot summers night
長く暑い夏の夜愛し合う

I thought you fell in love with me watching Casablance
君は『カサブランカ』を見ているぼくに恋をしたと思った
Holding hands 'neath the paddle fans in Rick's Candle lit cafe
リックのキャンドルライトカフェの天井ファンの下で手を握って
Hiding in the shadows from the spies. Moroccan moonlight in your eyes
スパイに見られないよう陰に隠れて。モロッコの月光が君の目に映り
Making magic at the movies in my old chevrolet
ぼくのオンボロシボレーで映画を見ると魔法にかかる

Oh! A kiss is still a kiss in Casablanca
ああ、キスはまだ『カサブランカ』のキスの味がする
But a kiss is not a kiss without your sigh
でも、君のため息がなければキスはキスじゃない
Please come back to me in Casablanca
『カサブランカ』の世界にいるぼくのところに帰ってきて
I love you more and more each day as time goes by
時が経つほど、日ごとに君への愛が大きくなる

I guess there're many broken hearts in Casablanca
カサブランカには傷心の男がたくさんいるのだろう
You know I've never really been there. so, I don't know
ぼくは実際そこにいったことがないのにね。そう知らないんだ。
I guess our love story will never be seen on the big wide silver screen
ぼくたちのラブストーリーは大きく広い銀幕で見られることはないだろう
But it hurt just as bad when I had to watch you go
でも、君が去るのを見るこはめになったときほんとうにひどく落ち込んだ

Oh! A kiss is still a kiss in Casablanca
ああ、キスはまだ『カサブランカ』のキスの味がする
But a kiss is not a kiss without your sigh
でも君のため息がなければキスはキスじゃない
Please come back to me in Casablanca
『カサブランカ』の世界にいるぼくのところに帰ってきて
I love you more and more each day as time goes by
時が経つほど、日ごとに君への愛が大きくなる
Oh! A kiss is still a kiss in Casablanca
ああ、キスはまだ『カサブランカ』のキスの味がする
But a kiss is not a kiss without your sigh
でも君のため息がなければキスはキスじゃない

Please come back to me in Casablanca
『カサブランカ』の世界にいるぼくのところに帰ってきて
I love you more and more each day as time goes by
時が経つほど、日ごとに君への愛が大きくなる
I love you more and more each day as time goes by
時が経つほど、日ごとに君への愛が大きくなる

織江の唄 ; 山崎ハコ

 映画『青春の門』の主題歌です。ストーリーが凝縮された濃密な曲で、方言と山崎ハコの表現性に圧倒されます。














遠賀川 土手の向こうにボタ山の
三つ並んで見えとらす
信ちゃん 信介しゃん
うちはあんたに逢いとうて
カラス峠ば 越えて来た
そやけん
逢うてくれんね 信介しゃん
すぐに田川に 帰るけん
織江も大人に なりました

月見草 いいえそげんな花じゃなか
あれはセイタカアワダチソウ
信ちゃん 信介しゃん
うちは一人になりました
明日は 小倉の夜の蝶
そやけん
抱いてくれんね 信介しゃん
どうせ汚れて しまうけん
織江も大人に なりました

香春岳 バスの窓から中学の
屋根も涙でぼやけとる
信ちゃん 信介しゃん
うちはあんたが好きやった
ばってんお金にゃ 勝てんもん
そやけん
手紙くれんね 信介しゃん
いつかどこかで 逢えるけん
織江も大人に なりました