Anna Moffo : Vocalise (Rachmaninov)

 アンナ・モッフォのものをもう一つ。これも何度も繰り返し聴いているラフマニノフのヴォカリーズです。

 



 

 

 

 

 

Anna Moffo : Una voce poco fa (Rossini : Il barbiere di Siviglia)

 ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』の一場面ですが、上演されたステージの録画ではなく、テレビ番組の特別セットを使った録画のようですが、カメラワーク、編集が映画水準でかなり凝っています。最近まで知りませんでしたが、イタリア系アメリカ人のアンナ・モッフォ(1932〜2006)は歌手だけでなく、女優、司会者として活躍し、大変な人気を博したそうです。歌を聴いただけなら、それほど惹かれなかったでしょうが、画質のあまりよくないこの映像を見ながら聴くと、歌声がすばらしいだけでなく、動作、表情がほんとうにチャーミングで繰り返し見たくなります。細かな仕草、目の動きは歌詞に連動しいるので、映画の字幕のつもりで訳してみました。

 

Una voce poco fa (今の声は)

 Una voce poco fa
qui nel cor mi risuonò;
il mio cor ferito è già,
e Lindor fu che il piagò.
Sì, Lindoro mio sarà;
lo giurai, la vincerò.

今の声は
心に響いた
私の心はもうボロボロ
やったのはリンドーロ
こうなったら、リンドーロは私のものにするわ
そう誓う。勝つのは私よ

Il tutor ricuserà,
io l'ingegno aguzzerò,
alla fin s'accheterà
e contenta io resterò.

後見人は反対するでしょうね
でも、私は知恵を働かせて、
最後には彼を説得し
満足のゆく結果を得る

Io sono docile,
son rispettosa,
sono ubbidiente,
dolce, amorosa,
mi lascio reggere,
mi fo guidar.

私はおとなしく
敬いながら
言うことを聞く
優しく、愛情たっぷりに
言いたいことを言わせておき
意見を聞くわ

Ma se mi toccano
dov'è il mio debole,
sarò una vipera,
e cento trappole
prima di cedere
farò giocar.

でも 私の弱みに
もし触れでもしたら
意地悪になる
そして 百の罠をしかけて
参ったと言うまで
いじめてやる