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Ponta linda : Teofilo Chantre

 テオフィロ・シャントルのアルバムRoda Tempo(時の輪)は全体がきれいにまとまってひじょうに雰囲気がよく、愛聴していましたが、聴かなくなってからも時々フレーズが口をついて出てくるほど耳に残っていたのはこの曲Ponta linda(きれいな岬?)で、高い声の歌い出し「ポンタリンダ〜」はいきなり聴かせどころという感じです。
 2011年に亡くなったセザリア・エボラ(Cesaria Evora)の曲は8つ選んでいますが、彼女の曲も書いているテオフィロの気に入りの曲はRoda vida(人生の輪)しかYouTubeに出ていなかったため、ずっと待ち続けていました。久しぶりに検索してみたら上がっており、嬉しく思いました。
 残念ながら、歌詞はまだ見つけておらず、歌い出ししかイメージがありませんが、広がる景色と、昔を思い出す距離感のようなものが感じられます。全体はどんな内容でしょうか。知らないままの方がいいかもしれません。




Sodade : Cesaria Evora




Sodade(懐かしい)

Quem mostra' bo
だれがあなたに示したのか
Ess caminho longe?
この長い道を
Quem mostra' bo
だれがあなたに示したのか
Ess caminho longe?
この長い道を
Ess caminho
Pa São Tomé
聖トメへ通じるこの道を


Sodade sodade
懐かしい、懐かしい
Sodade
懐かしい
Dess nha terra São Nicolau
わたしの国、聖ニコラウから

Si bo 'screve' me
わたしに手紙を書いてくれれば
'M ta 'screve be
あなたに手紙を書こう
Si bo 'squece me
わたしを忘れるなら
'M ta 'squece be
あなたを忘れよう

Até dia
Qui bo voltà
あなたが帰る日までに

Sodade sodade
懐かしい、懐かしい
Sodade
懐かしい
Dess nha terra Sao Nicolau
わたしの国、聖ニコラウから

Nha Manera : Tito Paris

 ティト・パリスは、セザリア・エヴォラを生んだカーボ・ヴェルデの歌手ですが、先に取り上げた Dança ma mi criola とこの曲を殿堂フォルダに納めています。歌詞はまだ入手できていません。


Mae velha : Cesaria Evora

 セザリア・エヴォラはすでに何曲も取り上げていますが、すばらしい曲がまだまだあります。




Mae velha
(老いた母さん)

Dibaxo-di bo foguera
あなたが燃やす火の光で
BO cria nôs desse manera
私たちをこのように育て上げてくれた
Kbô saia prete kbô lincim
黒いスカートとスカーフで
Bô mostrá nôs oké ke nôs
私たちのありのままの姿を示してくれた

Oh mãe oh mãe Oh mãe oh mãe
ああ母さん、ああ母さん、ああ母さん
oh mãe velha oih
ああ年老いた母さん、ねえ
Mãe velha oih mãe velha
年老いた母さん、ねえ年老いた母さん

Tcham cantope esse cançao
この歌をわたしに歌わせて
Pa legrope bô coraçao
あなたの心を楽しませるために
Mãe velha mostra nõs
年老いた母さんが私たちに示した

Munde é fete pa vive
世界は生きるために作られている
Tambem ele é fete pa morré
また死ぬために作られている
Pa ama e sofre
愛して苦しむために

Munde é fete pa vivé
世界は生きるために作られている
Munde é fete pa morre
世界は死ぬために作られている
Munde é fete pa ama
世界は愛するために作られている
Tambem pa sofre
同じくらい苦しむために

Roda Vida : Teofilo Chantre


 インターネットの自動翻訳は普通の報道、解説の文章の場合でも内容が歪み、かすれるのですが、歌で使われる短い言葉はふつうわけが分からなくなります。ただ、単語の直訳だけは半分ぐらい拾えるので、いつもそれを手がかりに冒険翻訳を楽しんでいます。カーボ・ヴェルデはポルトガル語圏ですが、やはり固有の方言があるようで、辞書で探しても見つからないものがかなりあります。
 テオフィロ・シャントルはセザリア・エヴォラの歌うものをたくさん書いていますが、彼自身歌手として広く活動しており、このアルバムはトータルでひじょうに気に入っています。味わい深いいい曲がいくつもあるのですが、一番好きなPontà linda(美しい橋)がYouTubeには出ていません。二番目がこれ、Roda Vida(ころがる人生)です。翻訳は「とりあえず」の段階で、そのうち更新できればと思います。




Roda Vida
(ころがる人生)

'M tem na nha lembranca 
記憶の中には持っていない
um tempo d'inocenca
無垢な時代を
vido tem volta e volta
目まぐるしく変わった
qui to leva' no podia ser
起きうることはすべて味わった

No t'ama na tude confianca
あなたの心を完全に信じることはない
ta cre na nos bonanca
穏やかな生活は続かない
amor novo na mocidode
激しく新しい恋心が
ta comve'no pa se
生まれる。たとえ
ingenuidade
そう望まなくても
ah se nunca tivesse desilusao
諦め、幻滅を持ってさえいなければ

Roda vida vida
人生は転がる
roda roda tempo
時は転がっていく
canta canta vento
風は歌う
quem tem sonho
夢を持つ者は
vai a lido
ビーチに向かう


A crianca que canta
歌う子どもは
e do vida se encanta
人生に魅了される
maravilhando e sonhando
驚き、夢見ながら
nao sab ainda do dor
そのように苦しみを味わわないでいる
de perder o seu candor
その思考力をなくし

A sensacao primeira
初めてのときめきは
que a natureza oferece
自然がくれるものだが
na sua generosidade
あなたの大きな心から
pode nao ser passageira
過ぎ去ることはない
se guardarmos o seu frescor
新鮮な気持ちを持ち続ければ

Roda vida vida
人生は転がる
roda roda tempo
時は転がっていく
canta canta vento
風は歌う
quem tem sonho
夢を持つ者は
vai a lido
ビーチに向かう

Petit Pays : Cesaria Evora






 曲名を見ずにポルトガル語のこの曲を初めて聞いたとき、印象に残る終わりのフレーズ「ペティ・パイ・ジェタン・ボク/ペティ・ペティ・ジェラン・ボク」がフランス語に似ているなと思いながらそこだけすぐ覚えてしまいました。そして、内容を確認しないまま刷り込まれたこのフレーズをしばらく口ずさんでいたのですが、ある日、これはなまっているだけでフランス語じゃないかと思い至り、曲名と歌詞を確認してみるとそうでした。
 セザリアの歌に他にフランス語を使ったものはなく、これだけのようですが、大西洋に浮かぶカーボ・ヴェルデ(Cabo Verde)という小さな島国ではポルトガル語だけでなく、フランス人ツーリストに対してはこんな発音でフランス語を使っているのだろうかと想像しました。
 しかし、よく考えてみると、文字を読むこともほとんどない素朴な人たちであれば、フランス語も耳で聞き覚えるでしょう。するともうすこしフランス語に似た発音になるのではないでしょうか。これは「文字を読んだ発音」が入っています。セザリアの歌う曲をたくさん書き、自分でも歌手として活動しているテオフィロ・シャントル(Teofilo Chantre)のフランス語はYouTubeなどで聞くととてもじょうずです。
 この曲も彼が書いたのではないかと思いますが、それなら発音はフランス語としてもっと正確なものにできたはずです。それをそうしなかった。歪んだフランス語の発音をあえて使った、あるいは発音をあえて歪めた可能性さえ感じられます。これはヨーロッパのワールド音楽市場、観光市場向けの作為、工夫じゃないかと思えてきました。
 歌詞をそのまま読めば、「(わたしの生まれ育った)小さな国、わたしはあなた(この国)が大好き」という「純朴な愛国心」なのですが、わたしが聞いてすぐ刷り込まれたように、耳にしたフランス人がこのフレーズを聞いてすぐ刷り込まれると、「(下手でもフランス語を使おうとする)小さな国カーボ・ヴェルデ、わたしはあなた(その国)が大好き」と繰り返すことになります。
 そんなことを思いながら、この短い歌詞を翻訳してみると、長さも「テレビコマーシャルサイズ」としか見えません。ツーリストを呼び込む「キャッチコピー」、それが終わりのフレーズではないのでしょうか。歌詞の内容は、まず「風景」、そして「めずらしい産物」ぐらいで、あとはすぐ覚えられるフレーズが最後に繰り返すのですから、一枚のポスターに書き込める内容量です。
 すると、「純朴」なのではなく、「『純朴』を繊細、かつ巧みに操れる」ということです。やりますね。こういうインテリジェンスを欺瞞とは思いません。人間の高度な自然性です。こう考えて初めてほんとうに「小さな国、あなたが大好き」と言いたい気分になりました。

Petit Pays
(小さな国)

La na céu bo é um estrela
あの空で言えば、あなたは星
Ki ca ta brilha
目立たない
Li na mar bo é um areia
この海で言えばあなたは砂
Ki cata moja
湿ることがない
Espaiod nesse monde fora
人がまばらにいる
So rotcha e mar
岩と海だけ

Terra pobre chei di amor
貧しいけれど愛に溢れた土地
Tem morna tem coladera
モルナとコラデーラがあるから
Terra sabe chei di amor
やさしく愛に溢れた土地
Tem batuco tem funana
バトゥーコとフナナがあるから

Oi tonte sodade
ほんとうに懐かしい
Sodade sodade
懐かしい、懐かしいわ
Oi tonte sodade
ほんとうに懐かしい
Sodade sem fim
限りなく懐かしい

Petit pays je t'aime beaucoup
小さな国、あなたが大好き
Petit petit je l'aime beaucoup
小さい小さい、あそこが大好き

Mar Azul : Cesaria Evora

 2011年12月17日になくなりましたが、カーボ・ヴェルデではセザリア・エヴォラをどこかの島に葬ったのでしょうか。それとも大西洋なのでしょうか。



Ma Azul
(青い海)

O... Mar, detá quitinho bô dixam bai
ああ海よ、穏やかに凪いで、
Bô dixam bai spiá nha terra
私の国を見に行かせて
Bô dixam bai salvá nha Mâe... Oh Mar
母さんに会いに行かせて、ああ海よ
Mar azul, subi mansinho
青い海、優しく盛り上がって
Lua cheia lumiam caminho
満月が道を照らす
Pam ba nha terra di meu São Vicente pequinino, 
私の聖ヴィセンチ島の地に生えた椰子の木
pam bà braçá nha cretcheu...
私の愛を抱きしめて
Oh... Mar, anô passá tempo corrê
ああ海よ、駆け足で年は過ぎた
Sol raiá, lua sai
太陽は輝き、月は出る
A mi ausente na terra longe... O Mar
私が遠いところへ行って留守の間・・・海よ

Regresso - Cesaria Evora e Caetano Veloso

 セザリア・エヴォラのおばちゃん声とカエターノ・ヴェローゾの裏声が組み合わされ、曲調は東京ロマンチカなど昭和のムード歌謡を思わせるものです。「帰れ/戻れ」と訳せるタイトル Regressoだけを見ていた時は、おなじみの「恋」「愛」が歌われているのだろうと思っていたのですが、無理をしながら翻訳してみると、災害で破壊された島が自然な状態に「回帰/後退/回復」することを歌っているようです。どういう企画から生まれたのか知りませんが、大西洋を背景とするブラジルの「サウダーヂ」、カーボ・ヴェルデの「ソダーヂ」とは違う「異国性」、アジア太平洋が想定されているのでしょうか。




これが聴けない場合はこちらで視聴できます 

Regresso
(戻って)

Mamãe velha venha ouvir comigo
おばあさんがいっしょに話を聞きに来ている
O bater da chuva lá no seu portão
雨に打たれながら、ほらあなたの家の戸口に
É um bater de amigo que
雨という友に打たれて
vibra dentro do meu coração
わたしの心を揺さぶるんだ
Venha Mamãe velha venha ouvir comigo
来ている、おばあさんはいっしょに聞きに来ているんだ
Recobre a força e chegue-se ao portão
力を取り戻し、戸口まで
A chuva amiga já falou, mantenha
雨が友になっていることはもう話したね、
e bate dentro do meu coração
私の心の中では彼女を打ち据えているのはあなただ
A chuva amiga mamãe velha a chuva
雨はおばあさんの友になっているんだよ
Que há tanto tempo não batia assim
雨は長い間あのように降ったことはない
Ouvi dizer que a cidade velha a ilha toda
聞いた話では、古い町、島はぜんぶ
Em poucos dias já virou jardim
瞬く間に庭のようになったそうだ
Dizem que o campo se cobriu de verde
平野は緑で覆われたと言う、
Da cor mais bela porque é a cor da esperança
それは希望の色だから、もっとも美しい色だ
E a terra agora é mesmo cabo verde
そして大地は今カーボ・ヴェルデと同じ
É a tempestade que virou bonança
嵐は静まったんだ

Venha comigo mamãe velha, venha
いっしょに来ているんだ、おばあさんが来ている
Recobre a força e chegue-se ao portão
力を取り戻し戸口まで
A chuva amiga já falou, mantenha
雨の友になったことはもう話したね
e bate dentro do meu coração
私の心の中では打ち据えているのはあなただ
A chuva amiga mamãe velha a chuva
雨はおばあさんの友となったんだ。雨は
Que há tanto tempo não batia assim
ほんとうに長い間あんなには降ったことはない
Ouvi dizer que a cidade velha a ilha toda
聞いた話では、古い町、島はぜんぶ
Em poucos dias já virou jardim
瞬く間に庭のようになった
Dizem que o campo se cobriu de verde
平野は緑に覆われたそうだ
Da cor mais bela porque é a cor da esperança
それは希望の色だからもっとも美しい色だ
E a terra agora é mesmo cabo verde
大地は今カーボ・ヴェルデと同じ
É a tempestade que virou bonança
嵐は静まったんだ

Tiempo y silencio - Cesaria Evora & Pedro Guerra







TIEMPO Y SILENCIO
 (時間と静寂) 

Una casa en el cielo 
空の家
Un jardin en el mar 
海の庭
Una alondra en tu pecho 
君のタンスの上のヒバリ
Un volver a empezar 
始めからやり直し

Un deseo de estrellas 
星の願い
Un latir de gorrion 
スズメの鼓動
Una isla en tu cama 
ベッドの上の島
Una puesta de sol 
日没

Tiempo y silencio 
時間と静寂
Gritos y cantos 
叫びと歌
Cielos y besos 
空とキス
Voz y quebranto 
声と嘆き

Nacer en tu risa 
あなたの笑みの中に生まれる
Crecer en tu llanto 
あなたの涙の中で育つ
Vivir en tu espalda 
あなたの背中で生き
Morir en tus brazos 
あなたの腕の中で死ぬ

Amor Di Mundo : Cesaria Evora


 セザリア・エヴォラが昨2011年12月17日に亡くなっていたことを知りました。追悼。








Amor Di Mundo (世界の愛)


Nh’amor é doce
私の愛は甘い
Nh’amor é certo
私の愛は確か
Nh’amor tá longe
私の愛は遠い
Nh’amor tá perto
私の愛は近い
El ta na nim
私の中にある
‘M ca ta sozim
私はひとりじゃない
Ness mundo
この世界で

Nh’amor ca so di cretcheu
私の愛は恋人のものだけじゃない
El é amor du criston
人間のものでもある
Qui ca quré vivé
生きたくない
Na meio di breu
闇の中で

Nh’amor é tudo qu’m tem
私の愛は持っているもののすべて
El é amor dum irmon
それは兄弟の愛
Qu’atè ainda
Ca perdè fê
まだ信頼をなくしていない

Tcha’m cantá-bo nh’amor
歌わせて私の愛を
Ô mundo
ああ世界
Tcha’m canta-bo nh’amor
歌わせて私の愛を
Pa nô amá
愛し合うために

Pa nô amá
愛し合うために
Pa nô amá...
愛し合うために

Carnaval De São Vicente : Cesaria Evora








Carnaval De São Vicente(聖ヴィセンチ島のカーニヴァル)


J'a'm conchia São Vicente
私は聖ヴィセンチ島を知っている
Na sê ligria na sê sabura
その活気もその匂いも
Ma 'm ca pud fazê ideia
しかし何も知らなかった
S'na carnaval era mas sab
カーニヴァルの間のほうがいいことを

São Vicente é um brasilin
聖ヴィセンチ島はブラジルみたいになる
Chei di ligria chei di cor
喜びと色にあふれ
Ness três dia di loucura
この賑やかな三日の間
Ca ten guerra ê carnaval
喧嘩はない。カーニヴァル
Ness morabeza sen igual
どこにもないような祝祭だ

Nô ten un fistinha mas sossegod
みんなのどかなパーティーをする
Ca bô exitá bô podê entrá
遠慮しないで仲間に入っていいのよ
Coque e bafa ca ta faltá
食べる物も飲む物もたっぷりある
Hôje é dia di carnaval
今日はカーニヴァルの日よ

ão Vicente é um brasilin
聖ヴィセンチ島はブラジルみたいになる
Chei di ligria chei di cor
喜びと色にあふれ
Ness três dia di loucura
この賑やかな三日の間
Ca ten guerra ê carnaval
喧嘩はない。カーニヴァル
Ness morabeza sen igual
どこにもないような祝祭だ