La Marée haute : Lhasa de Sela

 Lhasa de Sela (ラサ・デ・セーラ)はメキシコ人のスペイン文学教師の父親とアメリカ人ダンサーの母親の間に生まれた三人姉妹の末っ子だそうです。この家族は父親がアメリカのあちらこちらの大学を教えるために移り住んでいたそうですが、ずっとキャンピングカーで生活し続け、この三姉妹は学校というものに行くことなく、教育はすべて両親から受けるというかなり変わった育ち方をしましたが、最終的にカナダに定住し、姉たちはサーカス団にいるそうです。
 そんな少女時代、母親が好きで集めていた世界のさまざまな言語の「暗い悲しい歌」をずっと聴いていたそうで、これがラサが歌手となる土台となったそうです。最初のアルバムはラサの個性が凝縮され、息苦しいほどに濃密なすばらしいものですが、すべて重く暗い声のスペイン語で歌い、独特の味わいがあります。しかし、スペイン語文化圏のものとはまったく違います。アメリカ、カナダで、それも学校へ行かず育ったことでスペイン語社会から隔離されたせいでしょう。





La marée haute
満ち潮


La route chante 
道は歌う
Quand je m’en vais 
わたしが行く時
Je fais trois pas… 
三歩進む・・
La route se tait
道は黙る
La route est noire 
道は黒い
À perte de vue 
見える限り
Je fais trois pas… 
三歩進む
La route n’est plus
道はもうない
Sur la marée haute 
満ち潮に
Je suis montée 
わたしは乗った
La tête est pleine 
頭の中はいっぱい
Mais le cœur n’a pas assez 
でもこころは満たされない
Mains de dentelle 
レースの手
Figure de bois 
木の顔
Le corps en brique 
レンガの体
Les yeux qui piquent
刺すような目
Mains de dentelle 
レースの手
Figure de bois 
木の顔
Je fais trois pas… 
三歩進む
Et tu es là
するとあなたがいる
Sur la marée haute 
満ち潮に
Je suis montée 
わたしは乗った
La tête est pleine 
頭の中はいっぱい
Mais le cœur n’a pas assez
でもこころは満たされない

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