Y’a d’la haine : les Rita Mitsouko

 Y’a d’la haine というフランス語は文字通りには「憎しみがある」という意味ですが、邦題では『愛だけじゃない』となっているそうです。日本語では「憎しみ」という名詞が使いにくいため、内容を汲んで裏返したのでしょう。日本語なら「憎い」『憎々しい』「憎たらしい」と形容詞が圧倒的に使われやすく、それが主観、心情を強く表します。
 コミカルに仕立てた暴力は日本のお笑いでは多用されるのですが、どうしても「暴力」のにおいが消えません。一方、リタ・ミツコのビデオクリップではひじょうに抽象化されており、ひじょうに「おもしろい(形容詞)」。感情を haine という「名詞」でとらえようとするフランス語の傾向と関わりがあるのでしょうか。このような根源的感情のドライな対象化は形容詞を多用する日本人には難しいのかもしれません。






Y a d'la haine
(憎悪がある)


On n'a pas que de l'amour
愛しかないんじゃない
Ça non !
そんなことはない !
On n'a pas que de l'amour à revendre
売り飛ばせる愛しかないんじゃない
Ca oui ! Y'a d'la haine
そうさ ! 憎悪がある
On n'a pas que de l'amour
愛しかないんじゃない
Ça non ! Y'a d'la haine
そんなことない ! 憎悪がある
La haine aussi
憎悪だって
Faut qu'elle se répande
広まらなきゃ
Sans que ça freine
抑えたりせず
Y'en a même un sacré bon paquet
その神聖な詰め合わせだってあるさ
Eh ouais
そうかな
Ouais quand même
やっぱりそうだね
Quand même
やっぱり
On n'a pas que de l'amour
愛しかないんじゃない
Ça non !
そんなことはない !
On n'a pas que de l'amour à revendre
売り飛ばせる愛しかないんじゃない
Ça oui ! Y'a d'la haine
そうさ ! 憎悪がある

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